(1)お歯黒
1)お歯黒の道具
ⅰ 五倍子(ふし)・・・タンニン;黒色素を多く含んでいる。
ⅱ お歯黒壺・・・鉄漿(かね)水=鉄塩の溶液を入れる壺
ⅲ かねつけ道具
2)外国に紹介された『おはぐろ』
江戸時代に、来日した、外国人の眼には、「おはぐろ」は、「醜い」と、映ったようです。
お歯黒を、鏡に向かい、塗っている、女性(婦人)です。
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3)浮世絵・ザ・お歯黒
ⅰ 婦人相学拾体(享和時代)/ 喜多川 歌麿
紅の唇からのぞくお歯黒も、明瞭で、生々しい。
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ⅱ 春迎 / 作者不明
ご婦人は、3日と開けずにお歯黒の手入れをした。
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ⅲ 歯甓諭草をしへ早引 / 歌川 国芳
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ⅳ 山手のお六 / 歌川 国貞
鏡の中に顔を写した着想が、斬新。岩井半四郎の(舞台化粧)役者絵。
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ⅴ 今様美人十二景 / 渓斎 英泉
縫物をしている女房が、お歯黒の歯で、結びどめの糸を切ろうとしている。
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ⅵ 新柳二十四時 午後一時 / 月岡 芳年
柳の新芽のでる、春の一日を、画いたシリーズの1枚。嫁入り前の風景。
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4)お歯黒の終焉
明治になっても、お歯黒の習慣は、なかなか、すたれませんでした。
特に、地方では、盛んなようでした。このような人々を対象に、大正時代まで、ふし粉が、販売されていました。江戸時代に比べ、操作も簡単になり、すぐに、拭きとれます。
ⅰ お歯黒(ふし粉)のポスター
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ⅱ 百面相 / 小林 清親;明治期に活躍した、浮世絵師。
かねつけ
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はみがき(房楊枝を用いている)
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歯いたミ
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ⅲ お歯黒をする女 / 竹久 夢二 画(大正期)